『思索』自分で考えることの大切さ

「人間は考える葦である」

 

どこかで聞いたことある言葉ではないでしょうか?

 

パスカルの著書『パンセ』の中で出てくる言葉です。

 

人間は宇宙と比べると葦のように弱い存在であるが、人間は宇宙と違って考えると言うことができるのだから物事をよく考えなさい、ということです。

 

しかし、パスカルの名言を紹介しているにもかかわらず、今までの人生を振り返ると僕は自分で考えるということをほとんどしてきませんでした。

 

読書をしているときも、書かれてあることをそのまま頭の中に知識として詰め込むのに必死でした。

 

しかし、ショウペンハウエルの『読書について』を読んで、脳天をかなづちでたたかれたかのような衝撃を受け、読書に対する考えが変わりました。

 

『読書について』は、『思索』、『著作と文体』、『読書について』の3編から構成されていて、今回はその中の『思索』を紹介したいと思います。

 

内容

読書はいわば他人の頭で考えることである。

 

読書をすればするほど、他人の思想が頭の中に入ってきて、自分で考える力を失っていく。

 

つまり、いくら本を読んで知識を得たとしても自分で考えた知識でなければ価値はなく、逆に読んだ本の数は少なくても自分で何度も考え抜いた知識であれば十分な価値がある。

 

読書で得た知識というのはあくまでも材料であり、それらをもとに思索することが大切なのである。

 

感想

この本を読んで早速本の内容を「思索」してみると、自分の頭で物事を考えることが久しぶりであるような気がしました。

 

思えば、日常生活の中で自分で考えるという機会がほとんどありません。

 

何かわからないことがあったら検索すれば出てきますし、学校の勉強にしたって、点数をとる上で大切なのは自分の頭で考えることではなく、たくさんの量を暗記することです。

 

本来は自分の頭で考えて答えを導き出す数学でさえ、最近では「この問題にはこの解き方」というように解法を暗記することが当たり前となっています。

 

このように、学校の勉強でも自分で考える力がどんどん奪われていっています。

 

しかし、考える力を奪う原因があちこちに散らばっているこのような世の中になったからこそ、自分で考えることが重要になってくるのではないでしょうか?

 

みなさんも、1度でいいから『思索』をしてみてはいかかでしょうか?